はじめに
第1回「WBSの作り方 Part1~プロジェクトの全体像を描く~」では、
WBS( Work Breakdown Structure )を作るために予め用意する必要がある事柄を、
第2回「WBSの作り方 Part2~フォーマットを作る~」では、
フォーマットの作り方を記しました。
そして前回、
第3回「WBSの作り方 Part3~ガントチャート~」では、
タスクブレイクと併せてガントチャートを作り、一つのシートにまとめておくことで、
タスクとそのスケジュールをわかりやすく整理する方法をご紹介しました。
全4回シリーズの最終回となる今回は、
「運用」についてご紹介します。
ポイントは以下の2つです。
- 日々進捗を確認する
- 全体で進捗共有する機会を作る
1. 日々進捗を確認する
企画の主管として、各担当者のタスクが予定通りに進んでいるかどうかの確認は必須です。
主管を担う者がプレーヤーとして多くの業務を抱えている場合や、
複数の異なる企画を同時に担っているというような場合が多いように見受けられます。
そうなると、どうしても自身がこなさなければならない業務に集中してしまいがちですが、
「全体としての成果」を忘れずにそれもタスクの一つとして
あらかじめスケジュールに組み込んでおくことで、進捗管理の抜け漏れは防げるでしょう。
2. 全体で進捗共有する機会を作る
複数人で取り組む企画というのは「全体(=組織)としての成果」が求められます。
これは携わる個々人の能力を終結させて、個人ではおよそ達成できないだろうということでも、
達成できるという大きなメリットがある一方で、
当然個々人の仕事を進めるスピードやスタックする箇所は異なります。
あるいはその時々で各々意識していることが異なるという状況もあります。
それでも、主管として企画をスケジュール通り
かつ目標達成につなげるようにしなければなりません。
そのためには、定期的に全体で進捗を共有する機会をあらかじめ設定しておくべきでしょう。
ただし、ここで注意すべきは仮に遅れているタスクがあった場合です。
全体で進捗共有をする場で、「なぜ遅れているのか」「いつまでにできるか」などを問うのは避けるべきです。
主管として日々各人の進捗を確認できていれば、この全体共有の前に予め個々人に状況をたずねたり、一緒に対処法を検討したりというフォローができるはずです。
そして、全体共有の場では遅れている部分があるという事実に触れたうえで、
いつまでにどのように進めることで挽回できるかということも共有しましょう。
まとめ
WBSは複数人で何かを実施する際に非常に便利なツールです。
ただ、あくまでツールですので、どう使うかが大切です。
そしてその使い手次第で、そのWBSが有意義なものかどうかが変わってきます。
したがって、ただ作るということだけではなく、作成後にどのように使うかまで見通しながら作成してみることが大切です。
言い換えると、自分なりの運用ルールを定めておくということです。
ぜひ参考にしてみてください。
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