Customer(顧客)
Company(自社)
Competitor(競合他社)
本稿では、3Cを分析するための具体的なフレームワークをご紹介します。
- 顧客の分析(Customer)
- 自社の分析(Company)
- 競合の分析(Competitor)
1. 顧客の分析(Customer)
マーケティング活動において、限られた資源をどこにどのくらい割くかという意思決定をする必要があります。
その判断材料を見つけるために、まずは自社にとっての優良顧客を探っていくというのが顧客分析です。
(1)パレート分析
売上の8割を占める上位2割の顧客グループを特定しようとするとき、
「パレートの法則」という考え方を用いて整理することができます。
パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見し、
「80:20の法則」とも呼ばれます。
顧客分析の場面では、全体の売上の80%を顧客の20%が占めているという仮説のもと、
顧客ごとに売上を整理していきます。
(2)RFM分析
①Recency(最新購買日)
②Frequency(購買頻度)
③Monetory(累計購買額)
の3つの要素を顧客ごとに整理していきます。
ビジネスモデルに応じてこれらの項目は変更する必要もありますが、
このRFM分析は、自社にとっての優良顧客を定義するために用います。
(3)ペルソナ
パレート分析とRFM分析を経て、「優良顧客」が徐々に明らかになってきました。
自社がアプローチするべきターゲットの人物像を定義したものを「ペルソナ」といいます。
ペルソナをつくることで、顧客の状況や理解を深め、
より効果的なアプローチを検討していくことができます。
また、メンバーと理想の人物像としてのペルソナを共有することで、
施策の方向性がズレることを防げます。
(4)カスタマージャーニーマップ
ペルソナが、自社の商品やサービスの購入を決めるまでに、
どのようなプロセスを経たのかを時系列で整理したものが
「カスタマージャーニーマップ」と呼ばれるフレームワークです。
①タッチポイント
②顧客の行動
③顧客の心理状態
④ニーズ
などを言語化し、ある種の「ストーリー」を作ります。
2. 自社の分析(Company)
自社の事業に対して、影響を与えうる要因は何かを考える際には、
以下の4つのフレームワークが役立ちます。
(1)PEST分析
①Politics(政治)
②Economy(経済)
③Society(社会)
④Technology(技術)
これら4つの頭文字をとって「PEST」といいます。
自社を取り巻く環境について整理し、
時代の変化や今後の予測に役立てることができます。
日ごろからニュースをチェックするというのは、
このPEST分析に役立つでしょう。
↓詳しくはこちら
▶自社のマクロ環境を知る~PEST分析~
(2)5Force(ファイブフォース)
5Force=5つの力、
①買い手の交渉力
②売り手の交渉力
③業界内の競争
④新規参入の脅威
⑤代替品の脅威
という要素を洗い出し、自社の置かれる業界の競争構造を整理し、
その中で自社が優位性を発揮できるポジションはどこかを検討するために用います。
(3)VRIO分析
自社の経営資源を
①「経済的価値(Value)
②「稀少性(Rarity)」
③「模倣困難性(Inimitability)」
④「組織(Organization)」
の4つの観点から、整理・評価することで、
自社の競争優位性を分析する際に使います。
(4)SWOT分析
自社を取り巻く環境を、
①内部環境において好影響をもたらす「強み(Strengths)」
②内部環境において悪影響を及ぼす「弱み(Weaknesses)」
③外部環境として好影響を与える「機会(Opportunities)」
④外部環境として悪影響を及ぼす「脅威(Threats)」
の4象限に分けて整理するフレームワークです。
3. 競合の分析(Competitor)
自社が提供する商品やサービスと、ターゲットを同じくする他社を明確にし、
その競合はどんな活動をしているかという観点で分析し、
自社がどのポジションを目指すべきかを検討していきます。
自社と競合を比較することで、
競争優位性のあるポジショニングや施策を精緻化していくことができます。
(1)4P分析
4P分析は、
①「製品(Product)」
②「提供方法(Place)」
③「価格(Price)」
④「販促(Promotion)」
の4つの要素の分析をします。
自社のマーケティング戦略を検討する際にも使いますが、
競合他社の活動を分析する際にも活用し、
どんな要素に重点を置いているかなどを可視化することができます。
(2)バリューチェーン分析
事業活動を、顧客への価値提供までの連鎖している要素として整理し、
それぞれの要素がどの程度価値提供に影響をしているかを分析するフレームワークです。
競合他社の分析においては、
事業をどのように運営しているかということをある程度予測することができます。
(3)コアコンピタンス分析
中核的な能力(=コア・コンピタンス)、
つまり「他社にはまねできない自社だけの強み」が何かを
洗い出すためのフレームワークです。
働きやすさなどの内部的な要素ではなく、
あくまで対外的な要素を評価するものです。
まとめ
フレームワークごとの特徴や役割、
そして使い方を知ることで、
困ったときにどう整理するかという選択肢を
持つことができると思います。
今回は全体像を整理しましたが、
それぞれのフレームワークについての詳細についても
順次ご紹介していきます。
↓こちらもぜひ
▶実務の全体像~マーケティング戦略の流れ~