はじめに
雨が降る予報がされている日は通勤が億劫になりがちですが、ちょっとした工夫で楽しみを作り出すことができます。
最近は集中豪雨など非常に危険な状況も頻発していますね。もちろん悪天候の時は、身の安全を確保するのが第一です。
それを前提として、今回はフェルミ推定を使って「通り雨程度の時はこんな楽しみ方もあるよ!」ということをご紹介します。
- フェルミ推定
- 具体的な思考法
- (1)課題を設定する
- (2)状況を分析する
- (3)計算
- (4)答え合わせ
1. フェルミ推定
フェルミ推定とは、ある一定の論理的な説得力を持つ「概算」のことです。
実際に検算や実数調査をするのは難しい事柄について、ある程度の予測ができてそれを説明できれば十分であるという前提のもとに用いられる推論です。
ビジネスの場面だけでなく、日常生活の中でも活用できると非常に便利です。
「概算」ということは、与えられた課題によって計算方法や論理の組み立て方が異なる点には注意が必要です。
2. 具体的な思考法
(1)課題を設定する
まずは自分で課題を設定します。
今回は雨の日ということを念頭に、例えば「今降っている雨は何分後に止むか?」ということを課題として考えてみましょう。
もちろんお天気アプリを使えばこの手の疑問は簡単に解決するのですが、本稿では自分で考えるという面白さを大切にしたいと思います。
(2)状況を分析する
今回の課題は「今降っている雨は何分後に止むか?」でした。
それを踏まえて次に状況を整理しましょう。今回の場合、ポイントと諸条件は下記の5つです。
(3)計算
今回設定した課題は「今降っている雨は何分後に止むか?」ですので、「時間」を求めるということになります。
「時間」を求める際の式は、道のり(距離)÷速さで求まりますから、道のり(距離)と速さを前述の条件から整理しましょう。
まず、前述の条件①からあなたの現在地は新宿です。
条件③からは雨雲の南端が横浜にあることがわかります。
新宿と横浜の直線距離は約30kmなので、道のり(距離)は30kmとしましょう。
次に、条件④と⑤から南の方向に秒速10mで雲が移動することがわかりますので、
これを時速に変換すると、秒速10m = 分速600m = 時速36㎞となりますから、
式は、30÷36=0.833…
計算しやすいように、0.8時間として、48分ということになります。
つまり、以上の計算からおよそ48分後に雨雲は新宿を通り過ぎて、雨がやむのではないかという推測ができます。
(4)答え合わせ
このようにして、ある程度の目途がついたら実際にタイマーをセットして天気はどう変化するかを確認してみましょう。
後記
“おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり”
これは高杉晋作の辞世の句として知られています。
この句の意味するところは、「感じ方次第」ということです。
自分がどう感じるかは自分でコントロールできます。
その工夫をしていく中で、自分なりの工夫で物事への感じ方を変化させていくというのは、
気分転換ということだけでなく新たな気づきを得るチャンスにもなります。
私は学生時代に一級小型船舶操縦士免許を取得して、数年前に小型旅客安全講習を受講し、特定操縦免許(=自動車でいう二種免許)を取得しました。
この小型旅客安全講習は、海難事故が発生した際の適切な措置や救命設備についての内容が主なわけですが、
天候に大きく左右される小型船舶の安全な運航のためには、ある程度事前に天候の変化を予測しておく必要があります。
ただし、船は好きなのですが自分で操舵する機会は限られます。一方でこのような「天候の変化の予測」というのは、
お金をかけずに普段の生活の中に取り入れることができますし、ビジネスでよく使うフェルミ推定の練習にもなり、
もし自分の答えがあってたら嬉しくなりませんか?
天気に限らず何か少し気が滅入るようなことがあったときは、ぜひあなたなりの楽しみ方を探してみてください。