私がシンクタンクに勤めていた時のことです。
経営企画やマーケティングを担当する部署にいたのですが、
突如としてアグリビジネスに関する新規事業の立ち上げに関わることになりました。
この新規事業の事前調査の一環として、
有機栽培をされてる農家さんのもとで1週間程、
農作業の体験をすることになりました。
「…なぜ?」
と疑問は抱きながら笑
1日の作業は朝6時から始まります。
私が1週間の体験期間に主に携わっていた作業は、
マルチングシートと呼ばれる畝に被せたシートを剥がす作業と、
雑草を取るという作業でした。
これらはいわば苗を植えるための準備作業です。
まずマルチングシートを剥がす作業は、
畝ごとに張られた20m以上の長さのシートを、
“慎重”に剥がしていきます。
なぜ慎重なのかというと、ここが有機栽培で重要な点らしいのですが、
そもそもマルチングシートというのは農薬を使わずとも雑草が
育たないようにするためのもので、それを被せた畝にある土に、
被せてない部分の土がかかると、そこから雑草が生えてしまうため、
マルチングシートを被せていた意味がなくなってしまうというのです。
ただビニールのシートとはいえ、20mの長さともなるとそれなりに重い。
それが一つの畑に8列とか10列とかあるのです。
それに加えて、ビニールは破れやすいので、
土の中にビニールが残らないように気をつかう必要もありました。
私のような素人には、一見簡単そうに見えるこのような作業でも
非常に辛かったことをよく覚えています。
(後半へつづく)
▶仕事は農作業のみならず〜農作業体験記〜(後編)